2016年07月29日(金)
愛さえあれば・・・
本日は暗く悲しいことですが、無視してはいけないこと
先日おきた養護老人施設での殺人事件についてです。
あらかじめ言っておきますが、この記事は犯人を擁護するものではありません。
当然ながら、犯人は悪いですし、冒した罪を償うべきです。
たとえそれが死刑という命による償いだったとしてもです。
でも、この人は生まれながらにして悪人だったのでしょうか?
きっとそうではないでしょう。
過去の類似事件で、一度に多くの人の命を奪った事件で有名なのは
宅間守の池田小事件
通称酒鬼薔薇事件とよばれた神戸連続児童殺傷事件
加藤智大の秋葉原通り魔事件
戦前で言えば、映画『八つ墓村』のモデルにもなった津山30人殺しという事件もありましたね。
三島由紀夫は言っていました。
「人間は最終的には刃と弾丸でしか語り合えないのかもしれない」
現実的に考えれば、彼の言っていることは正しいでしょう。
でも理想的には、絶対にそうであってはいけない。
ではこれらの事件を防ぐことはできたのだろうか?
どの事件をみても、犯人は幼少期から事件を起こす日までの間、周囲から不遇を受け続けている人生を歩んでいます。
簡単に言ってしまえば、これらの事件は親や身内、近隣住民や世間への報復的殺人です。
実は今回あげた事件以外でも、似たような経緯で起きた事件はいくつもあります。
国内最大のクーデター事件である『2・26事件』ですら、そうだったのかもしれません。
その時代で言えば、猟奇的といわれ犯人は大人気になった『阿部定事件』もそうですね。
ほかにもあげれば、まだまだ・・・
これらの犯人の辛い幼少期の時に、もう少し向き合い手を差し伸べる人がいたら、報復的な怒りよりも、人の優しさを知る良い人になっていたのかもしれない。
彼らは自分がここでこんなに苦しんでいるんだってことを知ってほしかったのです。
もう少し、犯人と向き合えていたらどの事件も未然に防げていたかもしれません。
いえ、防げたというか犯人は事件を計画すらせず、犯人は犯人になりえなかった可能性があります。
現代日本では年間自殺者数は世界でもトップクラスです。
不遇を受け、これ以上生きていけないとなれば、自殺を選ぶのも無理はないでしょう。
でもこれ以上生きていけないのならば、邪魔を排除するために報復的な殺人に出る人もいる。
今、あなたは他人に対して冷たく接していませんか?
身内に対してはどうですか?友人に対してはどうですか?同僚に対してはどうですか?
また精神的に肉体的に環境的に苦しんでいる人はいませんか?見て見ぬふりをしていませんか?
何度も言いますが、自殺する人間が弱いのであり、犯罪を犯す人間が悪いのですが、それを生み出しているのは大抵の場合当事者本人ではなく、その周囲の人たちなのです。
ここでこうしてブログを更新している自分ですら、もしかしたら自殺者や犯罪者を生み出すような行為を知らず知らずにしているのかもしれません。
「まずは自分を愛しましょう」
「そして自分の中からあふれ出してきた愛で隣人を愛しましょう」
マザーテレサは常にそう言っていました。
愛が人の命を救います。
愛が間違った行動を防ぎます。
愛が犯罪の抑止力になります。